コラム

高木萌衣が3アンダー69をマークして単独首位発進!

2022ステップ・アップ・ツアー第16戦『山口周南レディースカップ』が、山口県の周南カントリー倶楽部(6,542Yards Par72)を舞台に開幕した。

秋らしさを通り越して、日中は半袖でもプレーできそうな陽気の中で行われた大会初日。単独首位に立ったのは高木萌衣。4バーディ、1ボギーの3アンダー69をマークして、今季初Vへ、そして初代チャンピオンの座に向けて最高のスタートを切った。
なお、小さいグリーンと傾斜の強さから、多くの選手がスコアメイクに苦しみ、早くも大会は混戦模様となっている。そんな中でトップと1打差の2アンダーの2位タイにつけているのはエイミー・コガ、藤田光里、須江唯加の3人。さらに1打差の1アンダーの5位タイには岩橋里衣、薮田梨花、石川怜奈、宮田成華の4人がつける展開となっている。


上では結果を残せなかったが成長は感じられたと高木萌衣

今年の高木萌衣は5年ぶりに開幕戦の『ダイキンオーキッドレディス』から出場したシーズンで、結果的には予選落ちも多く、なかなか数字を残すことはできなかった。ただ、その中でも自身初のトップ10に入るなど、成長を感じられた1年だったと振り返る。
「5年前に出ていたときよりも、できることが増えていたなと感じられる部分もあり、自分的には収穫があったと思っています」。

ここまでレギュラーツアーをメインに戦ってきたこともあり、ステップ・アップ・ツアーで賞金レースに加わるのは難しい状況。それでもこの日はレギュラーツアーで戦ってきた経験を存分に活かしたゴルフを披露。優勝を狙える最高のスタートを切った。
「周南は私がプロテストに合格した時の2次テストの会場でした。約8年ぶりに来ましたが、やっぱりグリーンが小さくて、難しい印象はあの時のままです。今日はティショットが良かったので、フェアウェイから打てたのが大きかったですね。1ピンくらいについたのが、もう3つくらいはあったので、それを決めきれなかったのはもったいなかったですが、このスコアには満足しています」。

優勝すれば来年のステップ・アップ・ツアーへの出場資格を得ることができるが、頭の中にあるのはQTに向けて調子をいかけ上げていくかだけ。来シーズンもまた開幕戦を沖縄からスタートさせるために、今週は自信を積み重ねる試合にしたい。その結果として優勝となれば最高だ。


男子ツアーでの勉強の成果!?エイミー・コガが首位と1打差スタート

エイミー・コガが5バーディ、3ボギーの2アンダー70という内容で首位と2打差の好位置につけた。
「今日はいろんなバーディがありましたよ。運も良かったんです。今日一番嬉しかったは12番ホールのバーディです。パー3のティショットを右サイドのバンカーに入れて、ピン位置を考えると、下りで絶対に寄らないどころか、乗らないようなバンカーショットだったんです。そこから上手くは打てたんですが、それでも予想通りすごい勢いで転がってしまって。と、思ったらピンにガシャンと当たって入ってくれたんです。本当にボギーであがれるかどうかという状況だったので嬉しかったですね」。
インスタートのエイミーにとって、これがこの日のファーストバーディ。気持ち的にも楽になり、完全にいい流れを引き寄せた。

先週の『宍戸ヒルズレディース森ビルカップ』に出場した後に、エイミーは同じ茨城県で行われていた男子ツアーの会場に足を運び、勉強の意味も含めて一人観戦をしていた。
「勉強になったのはみんな自分のスタイルを持ち、それを貫いている点です。男子と女子では体格はもちろん違うんですが、女子選手はどちらかと言うとボールを自分からは曲げずに、真っ直ぐに打つことを重視しますが、男子プロはめちゃくちゃ曲げながら打っていたんです。パワーがあるからできるというのもありますが、本当に一人一人自分のスタイルをちゃんと持っているなと感じました」。
エイミーの身長は176センチ。女子の会場ではひと際目立つ存在だが、自分の個性をもっと活かしていいのではないかと強く感じ、今週の試合にのぞんでいる。
周南は弱気になって守ろうとすると大怪我をする特徴があり、その点はエイミーもしっかり理解している。いつもなら守りに入ってしまいそうな場面も、気持ちを強く持って攻めたとのこと。男子プロから得た教訓を、明日以降もプレーに反映させたいところだ。


バーディ合戦よりも我慢合戦の方がいい!藤田光里が首位と1打差の2位タイ

今週は我慢大会になると踏んでいた藤田光里。ラウンド後は「あまり覚えていません」とお疲れの様子だったが、久々に優勝を狙える好位置からのスタートだ。
この日は4バーディ、2ボギーの2アンダー70という内容。スコアに対して満足はしているものの、上位という実感はなかったようだ。
「練習ラウンドと、プロアマで2回ラウンドをして、結構我慢大会になるなと思っていました。毎ホール、大きい怪我をしないようにと思っていた結果、ボギーを少なくできたのは良かったかなと思います」。
とにかく必死でパーをセーブすることを考えながらプレーしていたという藤田の口からは「必死」という言葉がこぼれた。
「本当に必死でしたよ。ティショットが狭すぎて、慎重に置きにいって、2打目で頑張ってという繰り返しで。ただ、バーディ合戦よりは好きなコースではあります」。

先週の『宍戸ヒルズレディース森ビルカップ』で優勝した篠崎愛は同じコーチに教わるいわゆる同門で、さらにはレギュラーツアーでの金田久美子の優勝にも刺激を受けたという藤田。
来週はレギュラーツアーへ出場予定のため、今週がステップ・アップ・ツアーは今季最終戦になる。後に控えているQTのためにも、いい流れで今週の試合を完走したい。