コラム

山口周南レディースカップ大会2日目。ルーキーの吉澤柚月が単独首位!

2024ステップ・アップ・ツアー第20戦『山口周南レディースカップ』の大会2日目が、山口県の周南カントリー倶楽部(6,558Yards Par72)を舞台に行われた。
この日は好天に恵まれたものの、読みにくい風がコースを吹き抜けた。グリーンも乾き、速さを増したことで、各選手がスコアメイクに苦しんだ。
そんな中で単独首位に立ったのは吉澤柚月。1バーディ、1ボギーのイーブンパーでラウンドし、通算3アンダーにまとめた。

なお、吉澤と1打差の2位タイには藤本麻子と権藤可恋の2人。さらに1打差の4位タイには池ヶ谷瑠菜とP.サイパン、山城菜々の3人がつける展開となっている。
ただ、スコアは全体的に停滞しているため、明日の最終日は大逆転劇の可能性も大いにある。第3回大会の女王に輝くのは果たして誰なのか?明日の最終日のプレーに注目したい。

吉澤柚月が悲願の初優勝へ単独首位で最終日に挑む!

首位とは2打差の3アンダー2位タイからスタートした吉澤柚月。2番ホールでボギーが先行するが、4番パー5ですぐさまバーディで取り戻す。ただ、スコアが動いたのはこの2ホールのみ。そのほかの16ホール全てでパーを重ねた。
「ピンチもなければチャンスもなかった感じですね(笑)。気づいたら18ホール終わっていた感じです」。

吉澤は昨日のうちに、今日のピンポジションを確認した上で攻めるホールと守るホールを決めていた。もちろん、ラフからだったり、風だったり、その場の状況でマネージメントの変更は行なっていただろうが、コースが難しいからこそ自分が決めたプランをやり通すことを徹底した。
「今日は手前がマストのピン位置があったり、いっちゃいけないところが結構多かったので、そこはバーディというよりは徹底してパーを獲りにいくゴルフをやりました」。

優勝争いに最中でも吉澤はとにかく自分のゴルフだけに集中できていた。勝ちたい気持ちはもちろんあるだろうが、そこに意識を奪われなかったのは、これまで悔しい負けを経験してきたからだ。10位に終わったSkyレディースABCでも常にピンを狙う攻めのゴルフが裏目に出たが、今回はそんな経験に加えて、コースが攻めさせてくれないことも吉澤にとっては好材料と言える。

『ルーキーが優勝していない年は最近では珍しい』
そんな声はもちろん吉澤の耳にも入っているが、そこに振り回されることなく、明日も自分のゴルフに徹するつもりだ。

藤本麻子がステップ・アップ・ツアー2勝目に向けてじわりと好位置へ!

藤本麻子が6バーディ、5ボギーの1アンダー71でラウンド。出入りの激しい内容ながら、じわりと優勝圏内に順位を上げた。
藤本は10月のサロンパスレディスで自身ステップ・アップ・ツアー初優勝を飾っている。実に2011年のJLPGAツアーの伊藤園レディス以来の優勝だったわけだが、長く不振に苦しんでいた藤本が復活への筋道を見つけたきっかけがある。
「ミッスー(成田美寿々)とマッチプレーをやったんです。あれで今までのゴルフが守っていたなと思ったんです。マッチをやるのも久々でしたけど、相手がつければこっちもという感じで、守っている暇なんてないですし、パットに関しても返しを考える必要がないので。そんな駆け引きが自分の中で何かを気づかせてくれた感じがしたんです」。

そのマッチプレーで優勝してから、藤本は1日競技でも優勝するなど、勝ち方を思い出したかのような快進撃を見せている。
マッチプレーが大きな機転になったことは間違いないが、藤本曰く、そこから全ての試合で1日競技だと思って、その日のプレーにのぞむようにしていると言う。
この日も出入りの激しい内容になったものの、グリーンを外すべきホールは徹底的に手前から攻めるなど、ゴルフの組み立ても冷静にできている。無鉄砲に攻めるのではなく、逃げる時にも攻めの気持ちを持てていることが藤本のゴルフに変化をもたらした。
明日の最終日も攻めの気持ちを常に持ちながら、かつ冷静にコースと対峙するつもりだ。

この日のベストスコアをマークした池ヶ谷瑠菜が4位タイ浮上!

風の影響でグリーンが渇き、速さを増すグリーンに各選手が苦しむ中で池ヶ谷瑠菜は6バーディ、2ボギーの4アンダー68でラウンド。この日のベストスコアを叩き出し、首位と2打差の4位タイにつけた。

池ヶ谷は直近の2試合で、ヒルズレディース2位、明治安田レディスオープンで3位タイに入るなど好調。もちろん今週も優勝を狙って乗り込んできたが、第1ラウンドは75と躓いた。
「昨日は体調というか気持ち的になぜかテンションが上がらなくて。ただ、コーチと色々と話をして、それで色々と言われたことを全部試して、そうしたら今日は万全の気持ちでのぞむことができました」。

池ヶ谷のコーチとは同じプロゴルファーの土肥功留美だ。今年の春頃からコーチについてもらっているようで、技術的なことから精神的なことまでサポートを受けている。
そんな池ヶ谷にとって今シーズンの大きなターニングポイントになったのが日本女子オープンだ。結果は33位タイに終わったが、ステップ・アップ・ツアーとスケジュールが被っていたため、当初はステップ・アップ・ツアーを選択するつもりだった。それを土肥に話すと「あなたはどこを目指しているのか?」と問われ、そこで改めて考えた結果、日本女子オープン出場を選択した。

そこで4日間プレーし、しかも最終日になるにつれてスコアを上げたゴルフは、池ヶ谷に大きな自信と手応えを与えたことは間違いない。
「自信ができたなんて(コーチに)話したら、まだまだだって言われると思いますし、本当にまだまだだと思っているんですけど、日本女子オープンはきっかけになったと思います」。
そこからの3戦(ステップ・アップ・ツアー)の12位タイ、2位、3位タイという数字からも大きな自信を得ていることはわかる。
明日の最終日は狙うのはもちろん頂点だが、それ以上に今は自分がやるべきことをやり通すことに集中するつもりだ。