コラム

山口周南レディースカップが開幕!工藤優海が単独首位スタート

2024ステップ・アップ・ツアー第20戦『山口周南レディースカップ』が、山口県の周南カントリー倶楽部(6,558YardsPar72)を舞台に開幕した。

大会1日目、好スタートを切ったのは工藤優海。5バーディ、ノーボギーの67をマークして単独首位に立った。
例年よりもグリーンが止まりやすい状況とは言え、周南カントリー倶楽部の曲者グリーンは健在だ。複雑な芝目の影響かショートパットでも気を緩めることができないグリーンに各選手が苦しんだ。そこに加えて、午前中はやや強めの風が吹き難コンディションに。好天の割にはスコアが伸びない大会1日目となった。
そんな中での工藤のボギーフリーはお見事。今シーズンは悩みに悩んだ1年となったが、復調の手応えを掴みつつあるようだ。
工藤と2打差の3アンダーの2位タイには吉澤柚月と山城奈々の2人。さらに1打差の2アンダーの4位タイには岩橋里衣と権藤可恋の2人がつける展開となっている。また、今大会に4人のアマチュア選手が出場しているが、最上位は黒﨑美羽。最終18番ホールをチップインバーディで締めるなどし、1オーバー73でラウンド。22位タイとまずまずのスタートを切っている。

開き直りが招いた67!工藤優海が単独首位スタート

長いトンネルから抜け出そうとしている。
今シーズンの工藤優海は、ステップ・アップ・ツアーにここまで19試合に出場して予選通過が10試合と約5割の確率で予選落ち。しかも最高位が12位タイと優勝には程遠いシーズンを送ってきた。
そんな工藤が、この日は5バーディのボギーフリー。人が変わったかのようなゴルフができた要因は、いい意味での開き直りが引き金となっているようだ。
「組の雰囲気も良くて久しぶりに楽しくゴルフができました。このコースは難しいと思っていたので、割り切れていたというか、(グリーン)センター狙いで、あまり欲張らずにできたのがこのスコアに繋がったのかなと思います。夏前くらいから伸び悩み、ショットなそんなに悪くはないんですけど、パッティングが本当に決まらなくて。ずっとショートゲームが課題だったんですけど、試行錯誤してきたのが、ちょっとずつ良くなってきた感じです」。

先週の試合で課題だったショートゲームに関して自分の癖を見つけることができたのが大きかった。工藤の癖とは長いクラブを振る時の感覚が残ったまま、短いクラブも振っていたため、手首を使い過ぎていた。そのため、本来はカップに近づくにつれて精度の高さが必要になる縦の距離感が全く合わなくなっていた。そこが解消されたことで、この日は色んな意味で気持ちの良いラウンドとなった。
来週の最終戦には出場しないため工藤にとっては今週が最終戦になる。もちろん優勝したい欲はあるが、今日のようなゴルフが明日もできるとは思ってはいない。ただ、客観的に自分のゴルフと向き合えているからこそ、冷静な判断ができるとも言える。明日も今日と同じように気持ちよくプレーすることができれば優勝も現実味を帯びてくる。

とにかく真ん中狙い!攻めっ気を抑え込んだ吉澤柚月が2位タイ発進

4バーディ、1ボギーの3アンダー69をマークした吉澤柚月が首位と2打差の2位タイと好スタートを切った。
今シーズンのステップ・アップ・ツアーでは幾度か優勝のチャンスはありながら、勝ちきれていない。優勝を意識するとどうしても攻めすぎてしまうことが要因のようだが、この日はその気持ちを抑え込んだことが功を奏した。
「このコースはグリーンが難しいので、自分の中で狙うところと狙わないところをはっきりと決めてやっていたので、狙っていたところできっちりバーディが獲れた感じです。自分が決めたことをやり通せたのがよかったです」。

攻める気持ちが勝るとどうしてもピンしか目に入らなくなる傾向が吉澤にはある。もちろん成功することもあるが、ミスをして大怪我をすることもある。吉澤の場合、左ピンの時にニアサイドに外してスコアを落とすことが多く、左ピンが苦手だと言う。この日も攻めたくなる場面があったようだが、その気持ちを抑えてグリーンセンター狙いに徹した。
明日の2日目も自分が決めたことをやり切るだけと吉澤。我慢のゴルフは苦しいことも多いだろうが、それを乗り越えた先に新しい自分を発見できるかもしれない。

権藤可恋は賞金ランク2位以内確定に向けて好位置で大会2日目へ!

ショットの調子はそれほどいいわけではなかった。それでも前半の9ホールを4バーディ、のボギーでラウンドした権藤可恋。
「前半はそこまでいいスコアで回れるとは思っていなかったんですけど、欲を言えば後半1つでもバーディが獲れていれば。でも、このコースで2アンダーは上出来かなと思います」。

現在、ステップ・アップ・ツアーの賞金ランキング1位の権藤は来週の最終戦には出場しないため、自力で賞金ランキング2位以内を決めるなら今週がラストチャンスになる。
賞金ランキングでトップに立ってからと言うもの、変な緊張感を感じながらのプレーが続いていると言う権藤だが、仮に2位以内に入れたとしても悔いが残るようなプレーだけはしたくないと話す。
明日の2日目もただひたすらに目の前の1打と向き合い、自分がやるべきゴルフで賞金ランキング2位以内を確定させるつもりだ。