2023ステップ・アップ・ツアー第22戦『山口周南レディースカップ』の大会最終日が、山口県の周南カントリー倶楽部（6,543Yards Par72)で行われた。

前日の雨から一転、朝から晴天が広がった周南カントリー倶楽部には、この日1,500人を超えるギャラリーが足を運んだ。

多くのギャラリーが見守る中で頂点に立ったのは今年も新海美優だった。首位と５打差の４アンダー６位タイからスタートした新海は５アンダー67でラウンド。大逆転で大会連覇を果たした。

１打差の通算８アンダーの２位タイにはウーチャイエンと河本結の２人が入っている。なお、この試合でウーチャイエンの今季のステップ・アップ・ツアー賞金女王が決定している。

苦しいシーズンをおくっていた新海美優が再びこの地で自らをリセットさせた。

調子が悪いわけではないのに結果に結びつかない。レギュラーツアーでは伸ばし合いについていかなればと言う気持ちが悪い方へと作用し調子を崩してしまった。

そんな経緯でステップ・アップ・ツアーに戻ってきた新海だが、そこで大きな転機に恵まれた。プロアマ戦で小林浩美会長と同組になり、周りを気にせず自分の目標に向かってやればいいというアドバイスをもらい、何かが吹っ切れた。

「連覇をするぞと思ってきたんですけど、ディフェンディングってこんなに緊張するんだと思って、全然思うように体が動かなくて。難しいなぁって思っていました。でも、やっぱり好きなコースだからなのか、回っていくうちにショットもパットも良くなって。今は２連覇できたことにすごくびっくりしています。今週は小林会長の言葉がずっと頭に残っていました。１つバーディが来たら、また次の一つ。一つ落としても、また戻そうと（自分のゴルフに）集中できていたと思います」。

新海は昨年から食事管理を目的に試合でのちょっとした気づきなどを日記に記すようにしている。その日記に昨晩は最後に「67で回る」と書いたそう。最終日のスコアはまさに「67」だった。周囲のことを気にせず、自分の目標にだけ向かうと言う小林会長の言葉があったせいか、最終日はスコアボードを見ても、変に緊張せずに冷静にラウンドできた新海。

大会連覇はステップ・アップ・ツアーでは初めてのこと。２年連続でステップ・アップ・ツアーに出場しているからこその連覇なわけだが、新海自身もそのことは重々心得ている。

「来年はこの大会に戻ってこないことが目標です！」。

来シーズンは確実に今年とは違う新海の姿がレギュラーツアーで見られるはずだ。

「本当に残念です」と肩を落とした河本結。３日間通算８アンダーで1ストローク足りずにステップ・アップ・ツアーで３試合連続の２位（Ｔ）に終わった。

スタートホールの１番ホールで微妙な距離のパーパットを慎重に鎮めた。虎視眈々と「優勝」の２文字を狙う闘志が伝わってきた。

８番、９番ホールで連続バーディを奪った時点でトップに立つ。しかし、11番ホールで落とし穴が待っていた。

「11番ホールの池が決定打でした。ティショットがめっちゃ飛んでいて、セカンドでグリーンを狙えたんです。傾斜地だったんですけど、距離的に全然いくと思っていたので。ただ、ちょっとアゲインストだったみたいで。ただ、あれがあったからその後にバーディをいっぱい獲れたのかなとも思うんですけど、でも悔しいですね」。

最終日は気持ち的にも身体的にもいい状態でむかえられた。だからこそ勝ちたかったし、優勝を意識してのゴルフは、負けたものの手応えを感じることができたはず。３試合連続２位と言う結果が河本にもたらす効果はこれから現れるだろうが、再び強さを取り戻すのにそれほど時間は必要ではないように感じた２位タイだった。

ウーチャイエン　通算８アンダー　２位タイ

※今シーズンのステップ・アップ・ツアー賞金女王確定

「昨日は調子が良くなかったので、最後はしっかり調整して帰ったので、今日はいいゴルフができました。優勝は狙っていましたが惜しかったです。賞金女王になることができて本当に嬉しいです。前半戦は賞金女王になることは全く考えていなかったんですが、後半戦は自分のゴルフに集中できるようになって、成績も安定しました。本当に嬉しいです。レギュラーツアーではとりあえず１勝することを目標にしたいと思います」。

＠山下アミ　通算３アンダー　10位タイ

※ローアマチュア獲得

「（３日間振り返って）なかなか思うようにいかない展開が多かったんですが、諦めずに最後まで楽しんでプレーすることができて、自分自身ほっとしていますし、ローアマも獲得することができて嬉しいですし、自信になりました。初日はイーブンだったんですが、自分の中ではもっといける感覚があって、それで２日目に挑んだんですが伸ばしきれずで。３日目は耐えてのゴルフになっちゃったので、また頑張りたいと思います」。

＠中村心　通算２オーバー　30位タイ

「本当はプロとして出たかったと言うのが１番大きいですけど、それが叶わなかったので、アマチュアですけど、今やれることを精一杯やろうと思って３日間頑張ってやりました。なかなか、調子がよくなくて、耐えられずずるずるといってしまったんですが、最終日はボギーがこの３日間で一番抑えることができたので、そこは良かったです。来年はプロテスト頑張ります」