コラム

自己ベスト更新の橋添穂が通算9アンダーで単独首位に立つ!

2023ステップ・アップ・ツアー第22戦『山口周南レディースカップ』の大会2日目が、山口県の周南カントリー倶楽部(6,543Yards Par72)で行われた。

途中、降雨によるコースコンディション不良のため、約30分の中断があったものの、全選手が無事予選ラウンドを終えることができた。

トップに立ったのは通算9アンダーまで伸ばした橋添穂。橋添はつい先日の『うどん県レディース』の2日目に8アンダー64をマークし、自己ベストを更新したばかりだったが、早々に再び自己ベストを塗り替えた。

なお、1打差の2位には通算8アンダーの大城さつき。さらに3打差の通算5アンダーの3位タイには河本結と江澤亜弥の2人がつけている。


難攻不落の周南CCのグリーンをイメージ力で攻略した橋添穂が単独首位!

橋添穂が前日の34位タイから一気にトップに駆け上がった。この日は9バーディ、ボギーなしの63。まさに完璧な内容だった。

その大きな要因となったのがパッティングだ。

「やっぱりラインの読みとタッチが合っている日がバーディをたくさん獲れる日かなと感じているので、今日も短いバーディパットばかりではなかったんですが、3m、4mくらいのいい位置からバーディパットを入れられたのがこのスコアに繋がりました」。

パットが決まったからこそのベストスコア更新なのだが、実は今季はずっとパッティングに苦しまされていた。

「ステップに戻ってきてから調子が良くなってきました。それまでは、いいところにつけていても、短くても、ラインが違うことが多かったので。だから、ラインの読みを練習しました。ライン読みって想像力だと思うんです。真っ直ぐなラインを探して、それに対して自分がどの位置にいるのかを確認する練習もしました」。


また、もうひとつこの日バーディを量産できた理由がある。アイアンの距離感だ。橋添は昨年大会、予選落ちに終わっているが、その原因のひとつがグリーンの硬さにあった。硬く、止まらないグリーンに苦戦した記憶が、昨日のファーストラウンドでは残っていた。今年は昨年と比べてグリーンが止まりやすい状況だが、自身の記憶が邪魔をして攻めきれなかった。それを2日目は見事にアジャストして、バーディを量産したわけだ。

ステップ・アップ・ツアーの賞金ランキングは現在7位。残り2戦で2位に入るにはかなり厳しい状況ではあるが、その先に控えるQTにいい流れを作るためにも、明日は優勝するしかないと意気込む。


4打差はまだ圏内!河本結が久々に“優勝”を意識しながらの最終日に挑む

首位と3打差の8位タイからスタートした河本結が4バーディ、1ボギーの3アンダー69でラウンド。通算5アンダーで首位とは4打差の3位タイにつけた。

ステップ・アップ・ツアーでは直近の2試合で連続の2位。惜しくも優勝を逃しているが、河本本人は、その2試合に関してはそこまで優勝を意識していたわけではないと言う。

「先週、先々週は自分ができることをやり切ろうという感じで、あまり優勝ということにこだわらずに自分のプレーを貪欲にしようという気持ちでやっていました。特に最初の試合は自分のプレーに集中して、結果2位だったっという感じで。今週はステップ出るのも最後というのもありますが、優勝というのを頭に置いてプレーをしているので、明日1日はそういう気持ちでプレーしたいなと思っています」。

勝てそうで勝てない悔しさはもちろんあるだろうが、自分のゴルフと向き合い、さらなる高みを目指している河本にとって、今は新しい自分を発見する旅の途中なのだろう。明日の最終日に関しても、もちろん目指すのは勝つことだが、そこでどんな自分が顔を出すのかさえも楽しみにしている。

「明日はやっと優勝するという気持ちでプレーできるから、またそれで自分がどういうプレーをするのかも自分の楽しみの一つでもあります」。


また、トップとの4打差に関しても河本は十分にチャンスがあると捉えている。

「このコースは面白くて、伸びそうでもあるし、落としちゃう可能性もあるので。ハマると難しくなるけれど、全部上手くいくとパターとかも入るし。マネージメントをミスっちゃうと昨日の後半みたいになるので。だから4打差はまだまだチャンスだと思います。明日は天気も良くなってたくさんギャラリーの方も来てくれると思うので頑張りたいと思います」。

河本にとっての今季のステップ・アップ・ツアーの最終戦。どのように締めくくるのかに注目したい。


無欲の大城さつきが首位と1打差で勝負の最終日をむかえる

2日間通算8アンダーで首位と1打差の2位と絶好のポジションで最終日をむかえる大城さつきだが、その表情は晴れやかではない。

原因は左肩痛にある。ケアをしながらの出場だが、本音はゴルフをやりたくないと思うほどの状態だ。

「この1ヶ月くらい肩が痛くて。ケアをすると治るんですが、ゴルフをすると痛くなるんです。インパクトがめちゃくちゃ痛いんです。だから、なんとなく雰囲気で(ゴルフを)やろうとしているのがいいんだと思います。ぐってやると痛いので」。

この日は6バーディ、2ボギーの4アンダーという内容だが、ティショットが曲がっている。ただ、それでもある意味で開き直っている部分があり、その気楽さがいい方向へと作用している。

「先週は1ホールでOBを2回打ったんですけど、それに比べたらマシって言う感じで。ただ、今週はパターがめっちゃ入っています。理由はわからないですけど(笑)」。

自分に期待せずに明日の最終日もプレーしたいと大城。無欲の時ほどプレッシャーなくいいプレーができるもの。逆転での優勝の可能性は大いにある。