コラム

アンダーパーがわずか4人!藤田光里ら3人が首位タイに並ぶ大混戦に

2022ステップ・アップ・ツアー第16戦『山口周南レディースカップ』の大会2日目が、山口県の周南カントリー倶楽部(6,542Yards Par72)を舞台に行われた。
初日に続き、秋晴れの最高の天気の中で行われた大会2日目。昨日よりも少し風が吹いた影響からか、スコアは思ったほど伸びず2日間を終えてアンダーパーはわずか4人だけという混戦模様が続いた。
そんな中、2日間通算2アンダーで首位タイに立ったのは藤田光里、エイミー・コガ、新海美海の3人だ。1打差の4位に常文恵、さらに1打差のイーブンパーの5位タイには山本薫里、岩橋里衣ら5人がつけている。
ビッグスコアが出るコースではないだけに、明日の最終日もおそらく最後の最後まで優勝者が読めない展開になるだろう。果たして初代女王の座につくのは誰なのか。最終日の戦いに注目したい。


藤田光里が優勝を手土産にレギュラーツアー復帰を狙う!

バーディ合戦よりも我慢合戦の方が好きだと話していた通り、各選手がスコアメイクに苦しむ中で、藤田光里は粘り強くプレー。通算2アンダーで首位タイをキープした。
この日は5バーディ、5ボギーの72と出入りの激しい内容となった。途中3連続ボギーがあるなど、ずるずると悪い流れになってしまいそうなところで踏ん張った。
「今日もスタートホールでバーディが獲れて前半はいい感じだったんですけど、後半はちょっと…。10番ホールでティショットが右に出てから、ティショットが怖くなってしまって。そこから3連続ボギーですから、その時の気持ちはめちゃくちゃ落ちていました。そこが一番のピンチでしたね。だから14番のチップインバーディはラッキーでしたけど気持ち的にも大きかったと思います」。

藤田は自分のプレースタイルに関してバーディをガンガン獲れるタイプではない“バーディ数少なめプレーヤー”だと表現するが、今週はコースコンディションが難しいにも関わらず、2日間で9個といつも以上に獲れているイメージだ。ただ、本人的に懸念しているのは獲るべきパー5で獲れていないこと。おそらく明日も試合展開は我慢比べになるだろうが、この2日間で獲れていないパー5を攻略することができたら、藤田に勝機が訪れるかもしれない。

2017年にシード落ちをして以後、ゴルフを辞めたいと思った時期もあった藤田。ただ、ステップ・アップ・ツアーに来てからは、今週もそうだが福島浩子ら先輩ゴルファーと練習ラウンドをすることが多く、技術的なことだけでなく色んな話を聞いたり、アドバイスをもらったりすることができた。そんな時間は代えることのできないもので、ステップに来て良かったと振り返る。ただ、そろそろレギュラーツアーへ戻る時だ。明日の最終日は頂点に立ち、レギュラーツアー復帰への足がかりにしたい。


ラストゲームで賞金ランキング10位以内が見えてきた新海美優

4バーディ、2ボギーの2アンダー70でラウンドした新海美憂が、通算2アンダーで前日の9位タイから一気に首位タイへと順位を上げてきた。
近々の2試合で3位タイ、4位タイと調子を上げていただけに、目標とする賞金ランキング10以内が現実味を帯びてきた。
「来週の試合への出場資格がないので、今週が最後になります。なので、賞金ランキング10位に入るには優勝をするしかないので。もう失うものもないのでやるだけです」。

この日の新海はピンチらしいピンチもなく、淡々とプレーして首位タイに躍り出た。その理由は、このコースに対していいイメージを持っている点にある。
「プロテストの1次もここで、QTでもきたことがあったので、打っちゃいけない場所とか、ここならチャンスがある場所とかが頭に入っています。いいイメージでプレーすることができていると思います。私は飛距離が出るほうではないでの、もともと狭いとか、難しいセッティングになる方が好きですね。ここはスコアが出ないのもわかっているので、周りを気にせず最終日もやりたいと思います」。
明日もこれまでの2日間のように、我慢比べになることは間違いない。その中で、スコアを落とさないための攻略法を知っている新海は大きなアドバンテージがあると言える。


この日のベストスコアは山本薫里の3アンダー69。首位と2打差の優勝圏内に!

折り返し前の9番ホールでセカンドショットを直接放り込むイーグルを奪いギャラリーを沸かせた山本薫里。この日は1イーグル、5バーディ、4ボギーの69でこの日のベストスコアをマークし、首位と2打差の5位タイへと浮上した。

「前半は凄かったですね。誰!?みたいな感じでした。このコースは獲れるところで獲っておかないと、いつボギーがきてもおかしくないので、その点では前半は良かったですね。昨日もそうだったんですが、インコースは攻めにくいホールがあって、グリーンの傾斜も強いので、そういうのを意識すると体が硬くなってしまうんですかね。そんなことばっかり(体が)覚えておかなくていいのにと思いますけどね」。

首位とは2ストローク差で優勝のチャンスは十分。ただ、この日の山本がそうだったように、前半31で後半が38と、いいスコアも悪いスコアも出る可能性が潜んでいる。どれだけ調子が良くても最後まで気は抜けない。
「諦めずに、出来る限りのことを精一杯やります」。
今季は10月のレジェンズツアー『JLPGAレジェンズチャンピオンシップ CHOFUカップ』で優勝しており、その開催地も山口県だった。相性がいい山口県での2勝目を明日は無欲で狙いにいく。